赤ちゃんの成長は本当に嬉しいものですが、その一方で、育児の疲れや不安を感じている方も多いのではないでしょうか。
育児の中でも、特に、赤ちゃんがスクスク成長するために必要な栄養を与えるために、授乳は、最も重要な要素のひとつです。
一方で、多くの雑誌やインターネットの情報、病院での指導などで、母乳育児が推奨されていることもあり、母乳で育児しなければならないとプレッシャーに感じてしまい、心や体に大きな負担を抱えてしまうことも少なくありません。
そんなときに、頼れる選択肢の一つが、粉ミルクです。
この記事では、粉ミルクを無理なく取り入れ、育児の負担を軽くするためのヒントや考え方をご紹介します。
母乳だけじゃない。粉ミルクという選択肢
母乳が一番いい、母乳での育児を推奨する、といった言葉はよく耳にしますし、もちろん母乳にはたくさんのメリットがあるといわれています。
でも、だからといって、母乳だけでなければならないというわけではないと私は考えます。
現代の粉ミルクは、長年の研究により、栄養バランスや衛生面でもとても優れており、安心して赤ちゃんに与えることができます。
厚生労働省でも、粉ミルク(人工乳)を使うことは適切な育児の選択肢の一つとして認めています。
母乳が思うように出なかったり、職場復帰や体調の問題で授乳が難しい場合など、母乳育児に拘りすぎるとうまく授乳ができず、逆に、赤ちゃんにとっても、ママにとっても、あまり、いい結果にならないかもしれません。
無理をせずに、粉ミルクを取り入れることで、心にも余裕が生まれます。
粉ミルクを使うメリット
授乳の負担が分散できる
粉ミルクなら、ママ以外の家族も授乳が可能です。
パパや祖父母など家族がミルクをあげることができれば、ママが少し休憩できたり、睡眠時間を確保することもできます。
特に生後すぐのタイミングは、昼夜を問わず、約3時間置きに授乳しなければならず、母乳だけの場合、ママの体力的にもかなりきついです。
外出時や夜間授乳にも便利
母乳のように搾乳や保存の手間がないため、調乳セットを持っていけば、外出先でも手軽に対応できます。
夜中の授乳でも、調乳をパパにお願いしてママが飲ませたり、パパが授乳まですべて行ったりすれば、ママが休む時間を確保することができます。
混合育児という柔軟なスタイル
常時、粉ミルクで育児を行う「完全ミルク」でなく、母乳と粉ミルクを併用する「混合育児」というスタイルがあります。
基本は母乳で、難しいタイミングなどには一時的に粉ミルクを使うといった例や、母乳の出が悪い場合は粉ミルクで補うといった例など、粉ミルクを使うタイミングは様々ですが、あくまで、母乳を補うものとして粉ミルクを使うこの方法には、かなりメリットがあります。
母乳の回数にこだわりすぎず、必要に応じて粉ミルクを足すことで、無理なく授乳を続けられます。
粉ミルクを上手に使うコツ
清潔第一!調乳環境を整えよう
赤ちゃんの体はとてもデリケートです。
調乳時には、手洗い、哺乳瓶の煮沸や消毒、清潔な作業台などを心がけましょう。
哺乳瓶の煮沸による消毒は、手間がかかるため、ミルトンなどの常時漬け置きタイプで、赤ちゃんにも安心して使える消毒液を使用すると楽です。
ミルクの温度と量をチェック
粉ミルクは製品ごとに適切な温度や分量が記載されています。
基本は、雑菌の繁殖を防ぐために、70℃以上のお湯で溶かすことが必要です。
湯冷ましや保冷機能のあるボトルを使うことで、夜間や外出先での調乳もスムーズになります。
また、温度調整機能付きの電気ケトルや保温機能の付いたポットなども、調乳の際に助かるアイテムです。
作り置きはNG!安全第一で
調乳後のミルクはできるだけ早く飲ませ、残った分は保存せずに廃棄するようにしましょう。
赤ちゃんの健康を守るためには、衛生面には細心の注意を払いましょう。
ミルクウォーマーなどを使用する場合も、調乳から2時間以内程度までを目途とするなど、長時間保温したものを飲ませることは避けた方がよいでしょう。
「母乳じゃないとダメ?」という不安を手放そう
育児が初めての時は、「母乳で育てたい」、「母親としてちゃんとやらなきゃ」という気持ちが強くなりがちです。
でも、それが自分を苦しめてしまっては、本末転倒ですよね。
赤ちゃんが元気に育つことが一番大切で、そのためにはママやパパが心身ともに健康でいることが何より大切です。
母乳でも、粉ミルクでも、愛情を込めて育てていることに変わりはありません。
現に、完全ミルクや混合育児でも、問題なくスクスクと成長している赤ちゃんは世界中にごまんといます。
必ずしも、母乳育児でなければならないわけではありません。

現に私は、完全ミルクで育児をしています。赤ちゃんは、1歳になりますが、成長曲線の上の方をキープしてますし、成長の度合いを示す各種の指標についても、全く問題ありません。
周囲の理解とサポートも大切
粉ミルクの使用に関して、時には周囲からの何気ない一言がプレッシャーになることもあります。
「母乳はしっかり出てる?」、「母乳じゃないの?」、「もうミルクにしたの?」といった何気ない言葉に傷つくこともあるかもしれません。
そんなときは、「我が家にとってベストな方法を選んでいる」、「今時、母乳が当たり前と思っているなんて時代遅れだ」と思って、自分の選択に自信を持ってください。
そして、そういった言葉に傷ついたときは、自分だけで抱え込まずにパートナーや家族にも話して、みんなで、サポートしあいながら、育児を“チーム”で進めていけると心強いですね。
★今日の記事のまとめ★
粉ミルクは、育児をもっと楽に、もっと安心して進めるための心強い味方です。
母乳じゃないといけない、という思い込みに縛られず、自分と赤ちゃんにとってベストな方法を選びましょう。
それが、赤ちゃんにもママ、パパにとっても優しい育児につながります。
忙しくて大変な毎日の中でも、少しでも肩の力を抜いて、自分らしい育児スタイルを見つけていきましょう。
粉ミルクを使うという選択が、あなたの毎日に少しでも余裕と笑顔をもたらしてくれるよう願っています。
少なくとも、私は、粉ミルク経験者として、粉ミルクを選択するあなたを応援します!