不妊治療は「キャリアの終わり」か?男性公務員の昇進・評価と両立のリアル。職場で不利益を被らないための、公務員的「評価の守り方」

不妊治療は「キャリアの終わり」か?男性公務員の昇進・評価と両立のリアル。職場で不利益を被らないための、公務員的「評価の守り方」

こんにちは、元公務員のなぎびです。男性の育児休業取得は、国を挙げての推進により、公務員組織でも一般的になりつつあります。しかし、その前段階である「不妊治療」における休暇取得や残業のセーブは、男性職員のキャリア形成にどのような影響があるのでしょうか。

「治療で頻繁に休むと、昇進から外されるのではないか」「『やる気がない』と見なされて、人事評価が下がるのではないか」。そんな不安から、不妊治療中であることを隠し、体身を削って仕事を続けている男性職員もいました。

私自身、6年間に及ぶ治療の中で、仕事のパフォーマンスが落ちるのではないかと、常に怯えていました。しかし、結論から言えば、不妊治療は決してキャリアの終わりではありません。組織の論理を理解し、適切な対応をとれば、評価を保ちながら治療を続けることは可能です。今回は、不妊治療を理由に職場で不利益を被らないための、公務員的「評価の守り方」を徹底解説します。

目次

1. 公務員組織における「人事評価」の真実

まず、公務員の評価制度がどのように機能しているかを理解しましょう。

① 休暇取得イコール「評価低下」ではない

公務員の評価は、主に「業績評価」と「能力評価」で構成されます。休暇(特別休暇や時間休)を取ること自体が、直接的に評価を点数を下げる原因にはなりません。問題は、「休暇によって、本来の業務(目標)が達成できなかった」と見なされてしまわないことです。

② 最大のリスクは「無言の了解」というバイアス

制度的な不利益はありませんが、上司の個人的な価値観による「無言の了解」がリスクとなります。「男性が不妊治療で休むのは、仕事よりも家庭を優先している」という古いバイアスを持つ管理職がいる場合、意欲が低いとみなされ、重要なプロジェクトから外される、といった無形の不利益が発生する可能性があります。

2. 評価を守りながら治療を続ける「3つの戦略」

ただ「権利」を主張するだけでは、周囲の反発を招きます。「仕事の成果」で評価を守るしかありません。

戦略①:残業に頼らない「圧倒的パフォーマンス」

「残業ができない」ということは、評価においてプラスではありません。しかし、「残業をせずに、残業した職員と同等以上の成果を出した」とあれば、それは高い評価に繋がります。 不妊治療中は、これまで以上に業務の効率化を徹底してください。「時間外勤務ができないからこそ、日中のパフォーマンスを最大化する」。その姿勢を、仕事の速さと質で示し続けてください。

戦略②:上司を「評価の共犯者」にする事前調整

評価を下げるのは、多くの場合、急な休みなど周りに影響を及ぼす行為です。あらかじめ、治療の進行状況と、それに伴って発生するかもしれない休暇や残業免除について、上司に共有しておきましょう。その際、「業務の停滞を防ぐために、〇〇さんに業務を引き継ぐ準備をしている」という「解決策」もセットで提示します。上司を「あなたの事情を知り、それを織り込んで組織を運営する側」に巻き込むのです。上司は、自分で承認した働き方に対して、低い評価はつけにくくなります。

戦略③:「能力評価」を意識したアピール

妊活中は、「業績評価」で満点を取るのが難しいかもしれません。であれば、もう一つの評価軸である「能力評価」を意識してください。「チームワーク」「課題解決力」「効率化への貢献」など、不在をカバーするためにあなたが実践したことは、全て能力評価の対象になります。「チームを動かして、成果を出す力」をアピールするチャンスと捉えてください。

3. 不利益な評価を受けた場合の「対応策」

万が一、不妊治療を理由とした、明らかに不当な評価や、昇進からの除外があった場合は、冷静に対応しましょう。

まずは、評価フィードバックの際に、評価の根拠を具体的に確認してください。もし上司の説明が「休暇が多かったから」といった制度に反するものであれば、それは「ハラスメント」の可能性が高いです。その場合は、人事部門、あるいは職員組合に相談する準備があることを示してください。公務員組織は、制度違反に対して非常に脆弱です。冷静な態度で「制度」を盾に、自分の評価を守ってください。

4. まとめ:不妊治療は「新しいキャリアの始まり」

不妊治療は、あなたに「新しい視点」を与えてくれます。時間的制約のある中で、いかに効率的に成果を出すか、多様な事情を持つメンバーといかに協力するか。それは、これからの公務員に求められる、高度な管理能力です。

不妊治療を、「キャリアのマイナス」と捉えるのではなく、「人生におけるチャンス」と捉えて、自分のキャリアに「深み」を加えてくれる機会として、チャレンジしてみましょう。周囲の評価を恐れず、自信を持って、仕事と家庭の両立に取り組みましょう。

不妊治療のために不定期に休暇を取らなければならない状況は、周りへの迷惑を考えて、とても肩身が狭い思いをするかもしれません。でも、今、その状況を耐えて頑張ることで、将来のあなたが待ち望んだ未来の実現につながる可能性が増します。迷ったり悩んだりしたときは、一度、何のために働いているのか、自分に問いかけてみましょう。

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