こんにちは!なぎびです。
大きな会社や組織に勤めていると、ほぼ必ず人事異動という行事に出くわします。
人事異動が必要な理由は、能力に応じた人員の適正配置、人員不足の解消・強化、ジョブローテーションによる人材育成など組織の戦略的なもののほか、組織の縮減に伴う人員整理や不適当な人員の配置転換など様々です。
公務員にも、毎年、定期の人事異動があり、主要な省庁のトップなどの人事異動は、テレビなどで報道されたり、地方公務員であっても、管理職級の人事異動については、新聞で報道されたりします。

定期的に行われる人事異動に対して、意図せぬ退職などによる欠員に伴う玉突き人事など、突発的な事由によって、臨時で行われる人事異動もあります。
公務員の人事異動はほぼ転職と一緒
公務員の定期の人事異動は、年度ごとに行われ、概ね3月ごろに内示がされます。年度の半期の9月ごろに小規模な人事異動の内示を行う場合もあります。
私の市役所職員の経験からすると、3月の上〜中旬ごろに内示が発表されることが多い印象です。
国や都道府県はもう少し早いとは思います。
ただ、その時期に異動の内示を受けて、4月からは、別の職場での仕事をしなければならないので、内示があると、自分自身の残務の整理、引継書の作成・後任者への引継、書類やデスクの整理・片付けなど、今の仕事に関する業務に加え、次の仕事の引継(引受)、次の職場への引っ越し、次の業務に関する勉強など、死に物狂いで仕事をしなければなりません。
国や県などの場合は、住居の引っ越しまで伴う場合もあります。
異動先は、異動希望を出していた場合は多少は考慮されますが(どの程度考慮されるかは組織によって異なります。)基本的には、ほとんどが、組織全体としての人員の都合によるところが多く、全く経験のない部署へ異動となることもよくあります。
特に近年は、人材不足がかなり顕著になってきており、職員それぞれの希望を考慮していては、人員を配置できないような状況になってきています。
ですので、基本的には、職責や勤続年数、基礎能力などを総合的に判断し組織的なバランスを考慮して配属が決定され、希望があった場合は、そこにプラスαで考慮の足しにされるくらいに考えておいた方がいいと思います。
それこそ、市役所でいえば、課ごとに全く業務が異なりますので、異動することになった場合は、ほぼ転職するのと同じようなものだといっても過言ではありません。
一般的には、2、3年で異動となることが多いようですので、つまり、2、3年に一度転職する覚悟をしなければならないということになります!!



一般職の職員では、建設関係の部署から、福祉の関係の部署への異動など、全く関係ない部署からの異動は、日常茶飯事でした。
管理職になってくると、少なくとも、その仕事にある程度精通していることが必要となるため、過去に経験のある所属に配属されることが多いようですが、最近では、人員不足から、それも難しくなりつつあるようです。



4月から異動になってまだ不慣れだからといって、市民やその他市役所を訪れる人たちにとっては関係なく、待ってはくれません。
内示からの短い期間で、最低限必要な業務に対応できるよう、準備をしなければなりません。
人事異動が必要な理由
では、なぜ、人事異動は必要なのでしょうか。
普通に考えると、経験年数が長く、その仕事に慣れたプロフェッショナルの職員がいたほうが、市民としては、迅速・適切に対応してもらえて、うれしいはずです。
それにも関わらず、公務員が、定期的に人事異動をしなければならない理由としては、以下のような理由があります。
- 公金の適正な執行
- 企業等との癒着の防止
- ジョブローテーションによる強固な組織体制の確保
①公金の適正な執行
まず、1つめは、公金の適正な執行です。
公金の原資の大部分は、皆さんの血税です。
当然ですが、皆さんからもらった大切なお金を使うことになるので、仕事や事業の実施に当たっては、より慎重に、より適切に、より安く行う必要があります。
ただ、長年同じ職に同じ人が在籍していると、経験により、より効率的に、より適正にその仕事を行えるようになる半面、慣れや慢心などにより、その業務自体のおかしな点や無駄などに気づきにくくなったり、怠慢になってしまう場合があります。
ですので、同じ職の在籍期間があまり長くならないようにするために、人事異動で定期的に人材を入れ替えることで、慣れや慢心を払しょくし、違った視点で、その業務を見直すことができるようになります。
②企業等との癒着の防止
2つめは、企業等との癒着の防止です。
公務員が担う仕事は、非常に広範囲に及びます。
戸籍や税、国民健康保険、生活保護の窓口など、直接職員が行う業務がある一方で、道路工事、上下水道工事、森林の伐採、公共施設の建設、各種物品の納品など、職員ではできない業務も大量にあり、それらは、市役所等が発注元となり、民間企業への委託等により行うことになります。
これらの業務は、原則としては複数社による入札により行われますが、緊急の場合やその他法令に規定する事由に該当する場合は、随意契約(競争入札によらず、特定の相手と契約を締結する契約方法)とする場合もあります。
その職にいる期間が長くなってくると、同種の仕事を発注することも多く、過去に業務を委託した業者など、見知った業者も多くなり、自分に都合の良い業者が仕事を受けられるよう便宜を図るなどの不正を招く温床となる可能性があります。
さらに悪質なケースでは、そこに、金銭の授受などの法令違反や刑事事件につながるような事案が発生する可能性もあります。



官製談合や不正な入札など、たまにニュースになったりしますよね。
市長さんが、入札に関する情報を知人業者に漏らしていたなんて事件もありました。
③ジョブローテーションによる強固な組織体制の確保
各仕事のプロフェッショナルがいることは大切ですが、そのプロフェッショナルがいなくなった時でも、サービスを低下させずに提供できる体制を確保することも大切です。
一定期間ごとに、人事異動によりジョブローテーションすることによって、各業務の内容を複数の人間が経験することができ、休業や退職による欠員など、もしもの際にも柔軟に対応することができます。
また、将来の管理職を担う人材を育成する点においても、複数の候補者を用意することができるので、人事の選択肢の幅が広がります。
人事異動のメリット・デメリット
異動するメリット
仕事・人脈の幅が広がる
異動して、新しい環境に身を置くことで、周りの人間関係が一新され、今まで関わりの薄かった人と親交を深めることができ、人脈の幅が広がります。
また、新しい仕事を覚えることになるので、新たな知識の蓄積につながりますし、これまでの仕事の経験も活かすことで相乗的な効果も期待できます。
仕事をリセットできる
異動すると、それまでの仕事を後任者に引き継ぎ、新しい仕事を引き受けることになるので、一旦、仕事をリセットすることができます。
前の仕事で抱えていた課題などは、後任者に任せてしまうことになりますが、自分自身としては解放されますし、同じ仕事をすることに対するマンネリや凝り固まった人間関係・職場環境からも解放されます。
適職と出会える可能性
自分自身にとって、どんな仕事が合っているかは、なかなかわからないものですよね。
自分が得意と思っている分野よりも、もしかしたら、もっと得意な分野に出会えるかもしれません。
基本的に人事異動は、自分の意志ではなく、組織の意志によって決められるので、想定していなかった職種に異動することも多々ありますが、そこで、新たな自分の能力を発見できる可能性も大いにあります。
異動するデメリット
知識が浅くなる
異動するスパンが短い場合は、業務に対する知識を十分に蓄積できずに、中途半端な知識となってしまう可能性があります。
広く浅く多くの仕事の知識を有することは、それはそれでメリットかもしれませんが、複雑な問題が発生した場合に適切に対処するためには、ある程度、それぞれの業務に関する理解度が必要になります。
異動の対応が大変
異動することになると、最初にお伝えしたとおり、少なくとも、自分自身の残務の整理、引継書の作成・後任者への引継、書類やデスクの整理・片付け、次の仕事の引継(引受)、次の職場への引っ越し、次の業務に関する勉強などが必要になります。
日頃から、異動に備えて準備していればいいですが、なかなか、そんな暇はないと思いますので、実際は、異動が発表されてから、引継の準備に取り掛かるのがほとんどだと思います。
さらに、引っ越しを伴う異動の場合は、住居探し、家族の対応の検討や手続き、荷造りなども必要になってきて、バタバタになること必須です。
不適職にあたる可能性
メリットで、適職と出会える可能性を上げましたが、逆に、自分に全く合わない仕事に配属される可能性もあります。
一度配属されてしまえば、少なくとも1年、長ければ数年間は、その仕事に従事しなければなりませんので、本人にとってはかなりストレスになりますし、職場にとっても、仕事の効率低下などデメリットとなる可能性があります。



人事異動は、良い面もあれば悪い面もあります。もし、自分が希望する部署や能力を生かせる部署があるのであれば、しっかり異動希望を出して自分の意思を伝えるようにしましょう!