公務員の種類と公務員になる5つのメリット・デメリット【元公務員が解説】

公務員の種類と公務員になる5つのメリット・デメリット【元公務員が解説】

こんにちは!なぎびです。
常に人気の職業として上位にランクインする「公務員」。
学校卒業後の進路や、転職先の候補として考えている方は多いのではないでしょうか。
でも、一口に公務員といっても、国の機関で働く人、市役所や県庁で働く人、教員、警察官、消防士など、たくさんの種類があります。

ここでは、

  • 公務員にはどんな種類があるの?
  • 公務員ってどうやったらなれるの?
  • 公務員になるメリットやデメリットって?

といった疑問に、元地方公務員のなぎびがお答えします。

目次

公務員の種類についてまとめてみました

公務員には、「国家公務員」と「地方公務員」があり、さらにその中で、主に一般職と特別職に分かれています。

一般職は、国の機関や県庁、市役所などで事務に従事する職員のことで、みなさんがイメージする公務員といえば、こちらが多いのではないでしょうか。

私も、一般職の地方公務員でした。

特別職は、大臣、政務官、裁判官、国会議員・地方自治体の議員、都道府県知事、市町村長などです。
特別職は、少し特殊な職種なので、ここでは、一般職の公務員の種類について解説します。

①国家公務員

 国家公務員法によりその職務や義務、身分などが定められている国の機関で働く職員です。

  • 内閣府や各省庁で働く職員
  • 各省庁の出先機関等で働く職員

 省庁間の異動がある総合職、省庁間の異動がない一般職、専門職などがあります。

②地方公務員

 地方公務員法によりその職務や義務、身分などが定められている地方公共団体で働く職員です。地方公務員には、主に、都道府県職員と市町村職員があります。また、市町村等が行う仕事の一部を複数の市町村等が共同で行う目的で設立した一部事務組合(特別地方公共団体)の職員なども地方公務員です。

  • 都道府県の職員
    • 都道府県庁など県の機関で働く職員
    • 都道府県立の病院に勤務する医師や看護師
    • 警察官(警視正以上は、国家公務員)
    • 公立の小学校、中学校、高校の教員 など
  • 市町村の職員
    • 市町村役場など市町村の機関で働く職員
    • 市町村立の病院に勤務する医師や看護師
    • 消防士
    • 保育士(市町村立保育園)など
  • 一部事務組合の職員(特別地方公共団体の職員)
    • 消防・ごみ処理・し尿処理・火葬場等の目的で設立された団体の職員

その他、非常勤職員の会計年度任用職員などもあります。

公務員になる方法

 国家公務員と地方公務員では、採用に至るまでのプロセスが異なるため注意が必要です。

①国家公務員になる方法

国家公務員になるには、まず国家公務員試験を受験し合格した後、希望する省庁へ官庁訪問(いわゆる採用面接)を行い、最終的に内定が出ることとなります。国家公務員には、省庁間の異動がある総合職(院卒・大卒程度)、省庁間の異動がない一般職(大卒程度・高卒・社会人)、専門的な知識や技術を生かした専門職などがありますが、基本的には同じような採用フローになります。(1次試験と2次試験の間に、官庁訪問を挟む職種もあります。)

  1. 国家公務員試験の1次試験(人事院が実施)
  2. 国家公務員試験の2次試験
  3. 官庁訪問(採用面接)(希望する省庁が実施)
  4. 内定

②地方公務員になる方法

地方公務員になるには、希望する地方公共団体ごとに実施される試験を受験し合格することで最終的に内定が出ることとなります。試験は、主にマークシートや筆記により、地方公務員としての資質や知識、能力を確認する1次試験と、小論文や面接、グループ討議などを行う2次試験を行う団体が多いようです。また、1次試験は、複数の地方公共団体が合同で開催する場合などもあります。そのほか、専門的な知識が必要な職種や、体力を必要とする職種の場合は、独自の試験が行われる場合もあります。

  1. 各地方公共団体による1次試験(マークシート、筆記)
  2. 各地方公共団体による2次試験(小論文・面接)
  3. 内定

わたしが市役所を受けたときは、1次試験でマークシートによる4択の知識・知能試験があり、2次試験で800字程度の小論文と面接がありました。

試験内容や申し込方法など、詳細については、国家公務員であれば人事院や各省庁、地方自治体であれば各地方公共団体のホームページ等で確認しましょう。

公務員になる5つのメリット・デメリット

メリット

①安定した収入

景気や企業業績などに左右されにくく、比較的収入が安定しているため、将来設計が立てやすいです。また、一般企業の給与の状況に合わせて給与の見直しが図られるため、一般企業で働く人と収入に極端な格差が生まれることはありません。加えて、年功序列的な給与体系がとられている場合が多く、長年勤めていれば、安定して昇給していきます。

②社会的身分の保証

法令により身分が保証され、収入も安定していることから、ローンやクレジットカードの審査などが通りやすい傾向にあります。

③充実した福利厚生

年金や保険などの共済制度、年休・育休などの休暇に関する制度、病気・ケガ・後遺障害などで仕事が困難な場合の保証制度など、福利厚生制度が充実しています。

④解雇されにくい

法令により保護されているため、法令違反や犯罪行為、余程の問題行動等がない限り、解雇されることは稀です。

ワークライフバランス

勤務時間や労働条件が規則等で定めれていることや業務の調整のしやすさなどから、比較的休みがとりやすい傾向にあります。これにより、年休を取って家族の行事に参加するなど、家庭との時間を大切にしやすいです。ただし、配属先や職務内容によっては難しい場合もあります。

デメリット

①24時間365日公務員

公務員は、全体の奉仕者として公共の利益のために尽くさなければなりません。これは、深夜や休日などの勤務時間外であってもです。大きな災害や事故などが発生すれば、例え自身が被災したときであっても、公務員としての職務に従事しなければならない場合もあります。

また、常日頃から公私を問わず、公務員として節度ある行動が求められるほか、PTAや地域の役などを任されやすいなど、場合によっては窮屈な思いをすることもあります。

②労働基準法の適用外

公務員には一般的な労働基準法は適用されません。そのため、残業や休日勤務などについて、不利益を受ける場合があります。

③副収入を得る方法が限られる

公務員は、信用失墜行為の禁止、守秘義務、職務専念の義務などの理由から、原則として兼職や副業は禁止されています。資産運用などは可能ですが、一般企業と比べると本業にプラスして収入を得る方法が限られています。ただ、近年、非営利や公益的な目的であれば許可される事例が出てきていますので、今後、あらゆる方面で人手不足が深刻化することは間違いないことから、将来的には副業について緩和されていく可能性はあります。

④異動≒転職

公務員には、数年ごとに定期的な異動がある場合が多く、引っ越しを伴う場合や、異動先によっては、今まで経験したことのない全く未知の仕事に一から取り組むことになります。これは、新しい経験を積むチャンスととらえることもできれば、新しい仕事に上手く馴染めず、自身の体調を崩してしまう場合もあります。

⑤特殊な才能や能力、技術を生かしきれない

公務員の仕事には、専門性を必要とする仕事も多くありますが、専門的な業務の多くは、その筋のプロフェッショナルである事業者に委託を行う場合がほとんどです。もちろん、それらの業務を適正に執行するために専門的な知識は必要ですが、自身の特殊な才能、能力、技術や独創的なアイデアなどを積極的に活用して働きたい方には、民間企業のほうが、活躍する機会は多いと思います。

わたしは、市民窓口を担当する部署から市立病院の事務局に異動となり、医療事務などの知識が全くなかったため、なかなか慣れることができず大変な苦労をしました

この記事が、公務員になりたい方、転職を考えている方に、少しでも参考となれば幸いです。

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