市役所で働いて嫌だったこと・納得いかないこと10選【経験談】

市役所で働いていて嫌だったこと・納得いかないこと10選

こんにちは!なぎびです。
仕事をしていると、いろんな嫌なことや納得いかないことを経験すると思います。わたしが10年間の市役所職員として勤務してきた中で感じたことで、ワースト10をご紹介します。

市町村役場の職員になることを考えている方の参考になれば幸いです。

目次

市役所で働いて嫌だったこと・納得いかないこと10選

  1. クレーム対応
  2. サービス残業・サービス休日出勤
  3. 日直・宿直
  4. 安い給与
  5. 休日当番
  6. セクハラ・パワハラ
  7. 非効率・無駄な業務
  8. 上級省庁からの仕事
  9. 複雑・難解な法令
  10. 縦割り組織

クレーム対応

住民の方からは、日々いろいろなクレームや問い合わせや相談などがあります。市役所の業務に関する各種申請の方法、制度に関すること、職員や制度に対するクレームの他、市役所に関係ないことに関するクレームや問い合わせなど多岐にわたります。

わたしは、市の代表電話の受付や住民からのご意見への対応窓口の部署にいたこともあるため、その時に実際にあった問い合わせの例をご紹介します。

クレーム系
  • 職員の対応が悪かった。
  • すれちがった職員が挨拶をしなかった。
  • 職員の服装が乱れている。
  • 職員の顔が気に入らない。
何でもかんでも、とりあえず市役所に言ってやる系
  • 停電を早く復旧しろ!原因を調べて報告しろ!
  • 引っ越すから電気を解約したい。
  • 電話料金が高いから値下げしろ!
  • 契約している携帯の電波が悪いから改善しろ!
  • 〇〇さんち、〇〇会社の電話番号を教えてほしい。
  • どこどこに旅行に行くのに、行く方法を教えてほしい。
  • 隣の家の木が邪魔だけど、隣の人に言いたくないから、市役所で調整して切ってほしい。
  • 家の軒先にハチの巣ができて怖いから、とってほしい。
  • ご近所付き合いや自治会活動に参加したくないから、断ってほしい。
無茶ぶり系
  • 昔買った別荘があるけど、使っていないから、固定資産税を減免してほしい。
  • 所有する土地や山を寄附したい。買い取ってほしい。
  • 旧友が今も元気にしているか気になるので、家にいって確認してきて報告してほしい。

最近では、少子高齢化、住民間のコミュニティの希薄化、移住など、昔にはなかったクレームや問い合わせも増えています。

サービス残業・サービス休日出勤

公務員の仕事のことは、法律や条例でしっかり定められているはずだから、サービス残業なんてあるわけない!と思われるかもしれませんが、実際は、サービス残業、休日出勤は日常茶飯事です。

現に、どこどこの地方公共団体で、年間数百時間を超える残業による心身の喪失による訴訟があったなどといったニュースもよく目にします。

公務員には、一部の業務を除き労働基準法は適用されないため、地方公共団体によっては、残業や休日出勤に関して、かなりグレーゾーンなことが行われている場合があります。職員の給与の原資は税金であり、予算には上限があります。仕事が山のようにあって、どうしても残業をしないと仕事が回らない場合であったとしても、予算がなければ残業代を支払えません。
また、地方自治体の財政状況を考えると、たとえ繁忙で職員が残業をしなければ仕事が回らない状況であったとしても、なかなか人権費を増やすことは難しいのが現状である団体も多いと思います。

実際に、わたしの勤務していた市役所では、デジタル化が進んだ現代においても、1,000人を超える職員の勤務状況を「なぜか」紙の出勤簿で管理していました。察しがつくかもしれませんが、紙であれば、出退勤を管理するシステムと違ってデータとしては記録が残ることはないのです。

日直・宿直

官公庁には、緊急時の初動対応や限定された業務などを行う名目で、日直や宿直が設けられている場合があります。日直であれば、休日に、平日の勤務開始時間と同じ時間に登庁し、電話対応や庁舎の見回り、休日に可能な申請手続きなどの対応をし、平日の勤務終了時間と同じ時間になったら業務を終了し帰るといった流れになります。

宿直であれば、平日の勤務終了時間後(又は、休日の同時刻)に、宿直室に移動し、電話対応や庁舎の見回り、時間外に可能な申請手続きなどの対応をし、次の日の勤務開始時間になったら、通常通り又は身支度をするために1時間程度の休憩を挟んで、出勤(休みの場合は退勤)するといった流れになります。

日直であれば、通常8時間程度、宿直であれば15時間程度の勤務時間になりますが、これらの勤務に対して支払われる対価は、労働基準法で定められた基準を準用して、標準的な職員の通常勤務における1日の平均額の3分の1です。

わたしの元勤務先では、日直も宿直も同額で、1回4000円くらいでした。

休日であっても、結構な数の問い合わせがある日もありますし、来庁者もあったりします。また、宿直については、夜間の問い合わせや気象警報の発表などがあれば、十分な睡眠もとれず、次の日には、普通に出勤しなければなりません。

しかも、1~2人程度で、全ての部署に対する問い合わせに対応しなければならず、結構、ハードな仕事だと思います。ですので、正直、休日や家での休息時間を職務で奪われているのに、全く割に合っていないとわたしは感じていました。

休日当番

日直や宿直に近いかもしれませんが、緊急時に即時に対応できるように、様々な仕事において、休日の当番を設けている場合があります。

例えば、DV被害者の緊急通報当番、防災に関する当番、道路のトラブルに関する当番、水道のトラブルに関する当番などがあります。もちろん、これらは、行政サービスの一環として必要なものかもしれませんが、当番中は勤務時間外や休日であっても対応しなければいけないため、常に気持ちを備えていなければなりませんし、外出を控えるなど、ある程度行動も制限されることになります。

しかし、これらの当番には基本的に、手当等はありません。

安い給与

公務員の給与は、安定していると言われますが、決して、高くはありません(特に地方公務員)。加えて、先に記述した、サービス残業や休日出勤などが多い場合もあり、実際の勤務実態からしてみるとかなり低いと思います。

わたしは、大学卒業後に市役所に就職しましたが、就職して5年ほど経ったときに、一般企業に就職した大学の同期と飲む機会があり給与の話をしたら、わたしの給与が安すぎて友人に驚愕されたことを今でも鮮明に覚えています。

セクハラ・パワハラ

地方公共団体の組織は、組織としての歴史が長い場合も多く、古くからの体制や観念、風土などが脈々と受け継がれている場合が結構あります。これらは、古きを重んじ・・・といった点で、よいところもありますが、セクハラやパワハラなどに関しても、昔の考え方のままで、容認されているような組織も地方には、まだまだたくさんあると感じます。

現に、わたしの職場も、女性にお茶くみをさせる、イベントの司会は女性にする、異性の身体に触れる、長時間・理不尽な叱責を行うなどの行為が結構あり、人事課などの相談部署もあまり機能していないような状態でした。

非効率・無駄な業務

市役所などの組織では、いろいろな計画やルールが策定されています。また、これらに付随した調査もとてもたくさんあります。数年おきに計画を作って、計画に対して毎年評価を行って・・・といった業務が、本当にたくさんあります。

気になる方は、自分の住んでいる自治体のホームページで調べてみてください。それぞれの分野でいろいろな計画が策定されていることが分かると思います。しかも、それぞれの自治体の計画だけでなく、国や都道府県の計画のための調査なども含めると、かなり莫大な時間を要することになります。

将来に向けた指針として、計画を立てることは大切ですが、計画を立てることが目的となってしまっている感が否めず、ただでさえ人が不足しているのに、余計な仕事だなーと、わたしは正直日々感じていました。

上級省庁からの仕事

いろんな調査、国が決めた補助金の支給手続き、法定受託事務など、地方公共団体では、上級省庁からの降りてくる様々な仕事を処理しなければなりません。

例えば、時の政権が補助金の支給を決めればそのための準備、衆議院が解散すれば選挙にかかる準備など、通常の地方公共団体の運営に関する業務に加えて、そういった突発的に発生するかなり時間と労力を要する仕事に即座に対応していかなければならないことも多々あります。

複雑・難解な法令

公務員の仕事は、基本的に、法律や条例などに基づいて行われます。ただ、法律や条例の規定内容は、かなり複雑で難解なものも多く、しっかり読み込まなければ理解できないものも多々あります。

また、曖昧な表現により一義的に解釈を決められないようなものもあり、対応に苦慮することもあります。法治国家である以上仕方のないことではありますが、法令をしっかり読み解く能力を身に着けるためには、相応の機関と努力が必要になります。

縦割り組織

公務員の組織は、よく縦割りと言われます。省庁や部署間の連携が希薄であるという意味ですが、これが結構めんどくさいです。地方公共団体内だけでいえば、それほどではありませんが、部署間の仕事の投げ合いみたいなことは結構あったりして、嫌な気分になることもしばしばありました。

国の機関が縦割りになっている関係で、報告先が複雑になってしまう場合や、同じような制度でも、所管する省庁や法令が違うなど、仕事をする上でかなり繁雑になりがちです。

たとえば、個人情報に関する問題が発生した場合を例にとると、漏洩であれば個人情報の保護に関する法律を所管する個人情報保護委員会へインターネット経由で報告、問題が住民記録に関するものであった場合は都道府県庁〇〇室〇〇課を経由して総務省△△室に報告書をメールで送付、マイナンバーに関する場合はデジタル庁の〇〇室に、といったように、同じ個人情報に関することでもとても複雑です。せめて、1つの制度につき、1つの決められた国の窓口に報告したら、自動的に横展開されるようなら仕組みがあれば、楽なんですけどね。

以上、わたしの経験から、嫌だったこと・納得いかなかったことをまとめてみました。これ以外にも、いっぱいありますが、細かなことはあげるときりがありません。
もちろん、いいところもあります!それについては、また、そのうちに。

よかったらシェアしてね!
目次